October 09, 2011

新・七北田川河口&蒲生干潟北半分調査

今週は先週よりもさらに潮位が下がった状態で七北田川の新しい河口と蒲生干潟の北半分の観察をしてきた。

蒲生干潟全景
とりあえず、いつものように蒲生干潟全景と七北田川の本来の河口付近の様子を記録。


2011/10/9 9:14 潮位約70cm(干潮7:53 61cm)


旧・七北田川河口部

2011/10/9 9:26 潮位約70cm(干潮7:53 61cm)
干潮時刻から既に1時間半ほど経過しているが、水はまだ七北田川から海側へ流れている。


2011/10/9 10:46 潮位約90cm(干潮7:53 61cm)
観察を終えて帰る前にもう一度状態を確認。この時点では海の水位のほうが高くなり、七北田川へ遡上し始めていた。


蒲生干潟北半分につながる水路(七北田川の新しい河口手前)

2011/10/9 9:37 潮位約75cm(干潮7:53 61cm)
潮位75cmでは水路の水位は20cmほどあり、長靴であればなんとか渡れる程度。

 
水路で砂がえぐられた箇所に、大量の貝殻が積もっている。
なぜここだけこんなに大量にあるのか、あるいはこのあたりの砂を掘れば一面こうなっているのかどうかは不明。


七北田川の新しい河口&蒲生海岸
実際に回った順番とは異なるが、水路の先、七北田川の新しい河口と蒲生海岸の様子を報告。私としては蒲生海岸の海そのものまでやって来たのは震災後初めてになる。河口のこの感じは、震災前の七北田川河口の景色そのものだった。


2011/10/9 10:28 潮位約90cm(干潮7:53 61cm)

七北田川河口対岸側
 
河口の対岸側は人が近づけないため、ウミネコなどの休息場所になっている。
また、ウミネコの向こうにはサーフィンを楽しむ若者の姿があった。

蒲生海岸


 
海岸にはまだ瓦礫が散乱している箇所がたくさんあるけれど、河口付近に関しては台風のときにすべて流されてしまったようでとてもきれいな砂浜が広がっている。貝殻が多いのが目に付くけれど、外海から流れ着いたと思われるものも多く、蒲生干潟や七北田川汽水域の貝が大量に死滅したことを知りつつこう言うのは不謹慎だが、「きれい」と感じた。


蒲生干潟北半分
蒲生干潟北半分は台風15号被害後も堰湖干潟のような形状が維持されていて、そこそこ干潟らしい姿が期待できるのではないかと思っていたが、今回の観察ではやや期待を裏切られる結果だった。


2011/10/9 9:44 潮位約75cm(干潮7:53 61cm)

 

 
先週、旧淡水池につながる水路周辺にかなり泥が堆積しているのを見ているので、こちらにも新たに泥が堆積しているものと期待していたが、本来の蒲生干潟北側のエリアには新たな泥の堆積が少ない。そのため非常に砂っぽく地面は固い。ゴカイの穴も多少見られるが、生息密度は低い。水質はかなり海水に寄っているのか、モズクのような海草が見られた。

旧淡水池の裏側


 
震災前は葦原が茂り、蒲生干潟の中でもっとも豊かだったと思われる場所だが、堆積していた泥は葦もろとも根こそぎ流されて、泥の塊の残骸が転がっている。葦の痕跡を見ることはできるが、完全に死滅している。葦が死滅すると硫化臭がするのが一般的と思っていたのだが、そういう感じもしない。

さらに北側へ
 

 

 
さらに北側へ足を伸ばしても状況はほとんど変わらない。地面が緑色になっている箇所があって、拡大してみるとやはり海草のようだ。このあたりで見られた生き物は水溜りを泳いでいるボラの稚魚と手負いのアシハラガニ一匹のみ。

体育館下の葦原
 
体育館のすぐ下、要するに陸地のすぐ近くには今でも葦原が茂っている。葦原のあるところにはやはりアシハラガニが大量に住み着いて、アシハラガニパラダイスになっていた。

旧淡水池につながる水路
 
旧淡水池へ抜けるために草むらを掻き分けていくと、蒲生干潟北側から旧淡水池に向けて一直線につながる水路があることを発見した。水路と言っても干潮時には干上がってしまうのだが、様子からして満潮時には水没して蒲生干潟北側と旧淡水池がつながるのだと思う。この水路が震災前からあったとすると旧淡水池と呼んでいるところは淡水ではなく海水ということになるが、今のところわからない。

旧淡水池の中にできた干潟
旧淡水池北端
旧淡水池は堤防が決壊して蒲生干潟とつながったため、潮位の変動により干潟が発生する。ちなみに黒いフレコンバックは決壊した防潮堤の応急処置で、防潮堤の向こう側は養殖池。震災直後はここで海と養殖池がつながっていた。

旧淡水池の干潟の生物活動痕


 
ゴカイの穴とカニの巣穴の跡(左) コメツキガニの巣穴&砂団子

 
アシハラガニの巣穴(左) アシハラガニ(右)
やはりここでも一番生息密度が高いのがアシハラガニ。コメツキガニと先週見たチゴガニはこのあたりではまだ少数派。


旧淡水池と蒲生干潟をつなぐ水路

2011/10/9 10:15 潮位約85cm


養殖池のボラっ子
最後に、2週間前に来たときに大きな黒っぽい魚が泳いでいるのを見た養殖池。一つ前の写真の水門は、旧淡水池と養殖池を結んでいる。養殖池側の水門は津波で吹っ飛んでいる。旧淡水池側の水門は閉じているのだが、隙間から海水が出入りしているのかもしれない。



 
今日見られたのは水面を泳ぎまわる小さなボラの子供たちのみ。水をなめてみたが、淡水9:海水1くらいの味。


Posted by blueskyland at 22:27:00 | from category: いきもの | DISALLOWED (TrackBack) TrackBacks
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