July 17, 2011

続報 蒲生干潟

なかなか忙しくて定期的に調査を行うということはできなかったが、1ヶ月おきくらいにちょっと足を伸ばして写真を撮っておくくらいのことはやってきた。そのへんの整理はこの後行うとして、まずは今日それなりにしっかりと観察してきたのでそのまとめを。

概要としては、さすがに元通りとはいかないまでも蒲生干潟は着実に生き物が戻ってきている。その一例を示すのがこれ。



これは潮干狩りのおじさんが採っていたヒラガイ。生息密度は通常と比べてだいたい3分の1くらいの印象だそうだ。大きさも通常よりかなり小ぶり。蒲生干潟で潮干狩りというのはなんだが、まあ比較のバロメーターにはなる。砂や泥が底生生物もろとも根こそぎ流されたように思っていたので、こんなにたくさんの貝が生息しているというのはむしろ非常に喜ばしいことのように思います。

次にカニですが、今回は観察だけでなく300mm APO TELEMACROを動員して全種類の撮影に挑みました。

まずはチゴガニ。

葦原が大幅に減っているので生息エリアは限られているかもしれませんが、いるところには十分に「うじゃうじゃ」と言っていいだけの生息密度がありました。

次はヤマトオサガニ。

蒲生干潟は泥質がやや硬いためもともとヤマトオサガニは少数派でした。現在も少数派ではありますが、ちゃんと生息しています。

アシハラガニ

葦原が大幅に減ってしまったため総数はかなり減らしていると考えられますが、探せばすぐに見つかる程度の数は生息しています。

ケフサイソガニ

もともと水中がメインのカニなのでちゃんと観察したことはありませんでしたが、たしかに以前からかなり生息していました。現在もかなりの数が生息しているようです。

コメツキガニ

今回の津波の影響をほとんど受けていないように見えるのがコメツキガニです。もともとコメツキガニの生息密度が高かった七北田川側の砂州には近づくことができなくなっていますが、望遠レンズでのぞいて見ると砂団子でびっちり覆われています。こちら岸でも明らかに震災後に砂がたまったと思われる場所に巣穴があり、写真も撮ることができました。

あと、今回はじめて見たものとしては、産卵・・・・いや、卵を孵化させて海に返して、つかれきったアシハラガニが休息している姿です。

近づいても逃げないので死んでいるのかと思いきや、しんどそうにエビで言うところの尻尾を動かしていました。

それと、以前よりも増えていると思うのはヤドカリくんです。これには海水の塩分濃度がかなり上がってしまっているのが影響しているように思いました。


22:09:00 | blueskyland | | DISALLOWED (TrackBack) TrackBacks